今週のお題「大移動」
大移動活動の発端
ヨガ・インストラクターの仕事も辞めてしまったし、会社の仕事は在宅勤務率がぐんと上がり、外出する機会が極端に少なくなりました。
簡単に運動不足を解消できないか?
そう考えて、週に一度の出社日は、オフィスまで徒歩で向かうことにしました。
メリットもあれば、デメリットもあるなと感じています。
メリット
- 歩くことで全身運動になる
- 自分の脳内にあるボディ・マップの点検時間に充てられる
- 混んだ電話に乗らなくて済む。それと同時に、電車の便利さも強く感じる
- 道で見かける花がかわいくて癒される
- 英語や伊語のポッドキャストを聴きながらシャドーイングの練習時間に充てられる
歩く際はできる限り歩幅を大きくして、
昔、少しかじって、自分のヨガ・クラスの誘導にも取り入れていたボディ・マッピング*1のことを思い出して、
一歩歩く毎に、自分の腸腰筋*2の動きと長さを観察し、身体を運んでくれることに感謝して歩くと、マインドフルネス色が強くなりました。
インナーマッスルが無口に働いてくれて、上体が保たれることに感動します。
歩くというのは、右足左足を交互に前に出すバランスポーズの連続で、奇跡が連続して起きていることを目の当たりにしているように感じます。
何歳になっても、自分の足で歩きたいなと思います。
デメリット
- 時間がかかる
- 雨の日は向かない
自宅から会社まで片道1万歩強。1時間くらいかかります。
自分が乗っていたかもしれない電車が走る景色を眺めながら長い距離を歩いていると、電車がいかに早く安く人を運んでくれるものかがわかりすぎて、電車に乗らない選択をしたことによる機会費用が頭をよぎります。
通勤手段:徒歩と同じく、家を早く出て電車に揺られ、会社近くのカフェでゆっくり朝活をした方がよいかもしれない、と思うことがあります。
ですがもう、徒歩で向かうことが自然になってしまいました。
雨の日は電車を使いますが、私はあまり雨とのご縁がなく、ウォーキングになることが多いです。
道を間違えたが、間違いではなかった
会社まで徒歩で向かい出した頃、道を間違えることがありました。
朝帰りのカップルが別れ際に名残惜しそうに路チューをしている横を通り過ぎつつ、「ここはどこだ?遅刻するのでは?」と焦りながら来た道を引き返して再スタートをする、そんな日がありました。
ああ、もう絶対に、間違えないようにしよう。そう思いました。
ところが、絶対に間違いが起こらない道を繰り返し歩いていると、もっと効率のよいルートがあるのではないかと、探検したくなりました。
色々と試しているうちに、いつかの「ここはどこだ?」の道にまた来ました。
でも、少し立ち止まって遠くを見渡してみると、いつも通っている間違いが起こらない道が見えました。
その時、私は脳内で地図を広げ上から俯瞰している感覚になり、わかったのです。
あの日、全然何も間違えていなかったのだと。
道は繋がっているではないかと。
自分の脳内のマップが不完全で、間違えてしまったと思ってしまっただけなのだと。
人生もそうかもしれない。
自分の体の地図も、人生の地図も、生きながら自分でコツコツと創り上げて行けるもの。
自作するものなら、その地図たちはいつでも修正することができるはず。
自分が修正箇所に気づいて、修正を諦めなければできる。
そう強く思える出来事でした。
脳内マップの修正は、ライフワークの一つ。
これからも、適切にアップデートを続けてゆこうと思いました。
*1:人間の脳の中にある体の地図、ボディ・マップを意識的に修正し、精密にする方法。ボディ・マップが正確なら、体を適切に動かすことができる。
*2:上半身と下半身を繋ぐ唯一の筋。大腰筋と腸骨筋から成る。
以下、著者:Nigel P.Palastanga Roger Soames Dot Palastanga 訳者:野村 嶬
書籍名:『機能解剖ポケットブック』 発行者:株式会社 医学書院 発行日:2009年8月1日 P.106より引用
大腰筋 股関節の屈曲と体幹の側屈.
●起始:第12胸椎-第5腰椎の椎体と椎間円板. 全腰椎突起の前面と腰椎体を被う腱弓.
●停止:大腿骨の小転子.
●神経支配:L1-L3(4)の前枝.
腸骨筋 股関節の屈曲.
●起始:腸骨窩の上後部. 仙骨翼および前仙腸靱帯.
●停止:大腰筋とともに大腿骨の小転子.
●神経支配:大腿神経(L2、L3).
これらの2筋は停止部を共有するので、時には両者を一緒にして腸腰筋と呼ばれる.